はじめに
これまで【ゴックン期】【モグモグ期】【カミカミ期】の3回に分けて、離乳食講座の記事にしてきました。
よく育児本などには、「離乳の完了」「完了期の食事」「12ヶ月〜16ヶ月ごろの食事」などと書かれているかと思います。

離乳の完了ってどういうこと?大人の食事とは何が違うの?
と、思われる方も多いと思います。
今回は、「離乳の完了」とは何を意味するのか、ご飯を作る時の注意点などについて、現役保育園栄養士であるぽんが解説します!
離乳の完了とは
厚生労働省から出ている「授乳・離乳の支援ガイド」というものがあります。
これまで記事にさせていただいた離乳食講座も、こちらのガイドに則ってお話ししました。
この授乳・離乳の支援ガイドを見てみると、離乳の完了について、こう記載されています。
離乳の完了とは、形のある食物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分が母乳又は育児用ミルク以外の食物から摂取できるようになった状態をいう。
母乳やミルクを卒業する時のことを指すのではありません。
そして、この授乳・離乳の支援ガイド内で示されていた調査結果はこちら。
離乳の完了時期は、「13~15 か月」の割合が 33.3%と最も高く、2005 年度よりピークが遅くなっていた。
2005年度の調査では、離乳の完了時期で最も多かったのが「12ヶ月頃」のようですね。
これは勝手な想像ですが、約20年前は「1歳になったんだから、離乳食はおしまい。大人のご飯に近いものにしましょう」と考え方が中心だったのかもしれません。
近年は「子どもの発達に合わせて離乳食から大人のご飯に近いものへ移行していく」といった考え方が広まってきたのかなと感じます。
また、近年は、離乳食の開始時期も子どもの発達に合わせて、ゆっくり目になってきているのかもしれません。(6ヶ月で始める子が多い印象ですが、あくまでぽんの印象です。)
完了期の食事ってどんなもの?
大人の食事を細かくしたり、柔らかく煮返したりして、噛む力が弱い子どもにとって食べやすい状態に調整した食事のこと。
食品別に、具体的に調理法をお伝えします。
①主食
・軟飯・・・大人のご飯にお湯やお水を加えて柔らかく煮返します。
お水の分量などは適当で大丈夫。
多すぎたと思ったら、次回から加える水の量を減らせばOKです!
・パン・・・スティック状に切り、軽くトーストしてあげると食べやすいです。
(焼かないと、口の中の上の部分(口蓋)に張り付いて食べにくいです。)
・麺類・・・大人のものを短く折ってから茹でるか、茹でてから切ります。
大人が思っているよりも柔らかく茹でてあげることがポイントです。
個人的には、子ども用の短い麺もあるので、そういう商品を使うのが楽でした。
②主菜
・肉・・・牛・豚・鶏、どれを食べても大丈夫な時期です。
ただし、まだ噛む力が弱いので、ひき肉を使うか、細かく切ってとろみをつけると食べやすいです。
また、焼くとお肉はどうしてもパサつくので、焼いたり炒めたりするより、煮物の方が取り分けには向いていると思います。
・魚・・・焼き魚をほぐして、骨をとってあげてもOKです。
ただし、パサつくお魚はほぐした後にとろみをつけてあげると食べやすいです。
とろみ付けは、水溶き片栗粉で加熱しても良いです。
レンジで済ませたい時やとにかく洗い物を減らして時短したい時は、このような商品がオススメです。
大人の食事から取り分けるのに便利なハサミはこちら。
何でも切れるので、私はかなり気に入って使っています。
持ち運びケースはないので、キッチンペーパーに包んでジップロックに入れて持ち運んでいます。
③副菜 主に野菜
奥歯が生えるのは3歳ごろと言われています。
奥歯がないこの時期の子どもは、歯茎で噛んで食べます。
なので、細かく切るだけでなく柔らかく煮返すことも重要になります。
例えばきゅうりの塩もみ。
大人は輪切りにするところを、お子さんにはいちょう切りで薄くします。
さらに小鍋に水ときゅうりを入れて、水気がなくなるくらいまで煮ます。
その後さっと塩で味付けして、塩もみの完成!という流れになります。
ちょっと煮返す時にぴったりなサイズの小鍋はこちら!
両側に注ぎ口もついているのもポイント高いです。
この時期に食べづらい食品
前述した通り、この時期にはまだ奥歯は生えていません。
離乳食が終わっても、まだまだ大きさや柔らかさに配慮が必要になります。
大人と同じ食事を食べられるのはまだ先です。
日本小児学会のリンクを貼っておきます。
窒息や誤嚥のリスクがある食品とその対策についてまとめられています。
毎年不幸なニュースを見かけます。「知らない」と対策できません。
特に、ミニトマトやブドウ、ソーセージなど切り方を工夫するだけで、リスクを減らせるものもあります。ぜひリンクをご確認いただければと思います。
また、りんごは特に窒息事故の多い食品です。
3歳ごろまでは加熱して与えることをお勧めします。
記事が長くなってしまったので、窒息や誤嚥のリスクがある食べ物とその対策については別記事にしたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
手づかみ食べとスプーン食べについての記事も、併せてご覧ください。